買収に名乗りを上げていたエドガー・ブロンフマン・ジュニア氏=ロイター

【シリコンバレー=渡辺直樹】米メディア大手パラマウント・グローバルは26日、同社の買収をめぐり、メディア経営者・投資家のエドガー・ブロンフマン・ジュニア氏が提案を取り下げたと発表した。当初の合意通り米映画製作大手スカイダンス・メディアによる買収が完了に向け進むことになる。

パラマウントは7月、スカイダンスによる買収で合意した。契約条項に基づき、ほかによりよい条件の買い手を探せる猶予期間を設けていた。21日の締め切り直前にブロンフマン氏が買収を提案した。米メディアによると、さらに約60億ドル(約8700億円)に提案額を引き上げた。

ブロンフマン氏は結局パラマウント側に買収撤回を通知し、パラマウントは26日、猶予期間の終了を発表した。同氏はカナダの酒造会社シーグラムの創業家の一員で、メディア会社の経営者や投資家として活動し、米メディア界の重鎮としてしられる。

パラマウントは地上波のCBSや音楽専門局MTVを持つ。名門企業の身売りは米メディアの大型再編として注目を集め、一時はソニーグループも投資ファンドと共同で買収案を提示していた。

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