HCAと提携することで、仮想背景の大型スタジオを活用できるようになる

博報堂傘下でCM制作などを手掛ける博報堂プロダクツは国内最大級の仮想背景スタジオを持つHCA(東京・世田谷)と業務提携を結んだ。天候に左右されにくくスケジュールを立てやすい仮想背景の大型スタジオを活用し、自動車やアパレル、飲料の広告撮影などの需要を取り込む。

提携したスタジオで提供するのは、LEDビジョンによる高精細な映像と人物などを組み合わせて多彩な映像表現ができる「バーチャルプロダクション」と呼ばれる技術になる。LEDビジョンを背景に、物体への光の当て方などを調整しながら夕日の風景での飲料広告などが撮影できる。あたかも実際の空間で撮影したかのような没入感のあるリアルな表現ができるのが特徴だ。

HCAとの業務提携により使えるようになる千葉県八街市のメインのスタジオは約600坪(約2000平方メートル)と屋内撮影スペースとしては国内最大級になる。博報堂の顧客は都内の2拠点を加えた3拠点のネットワークを優先的に使えるようになる。広告に加えミュージックビデオやCMやドラマ、映画などの規模の撮影にも使えるという。

業務提携により海外でも需要の高いバーチャルプロダクションの次世代クリエーターも育成する。HCA代表で撮影監督の井村宣昭氏が最適な制作手法を指南する。

博報堂プロダクツはこれまでバーチャルプロダクションの案件をあまり手掛けてこなかった。今回の提携を機に、テレビCMを手掛ける映像制作の主要部門で、将来的に3〜4割の案件を同技術による撮影に移行することを目指す。バーチャルプロダクションのスタジオはソニーグループやサイバーエージェントなどが保有しており、環境への配慮などの面でも注目されている。

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