ペトロナスの製油所・石油化学コンプレックス。バイオ燃料プラントが建設される

ユーグレナは28日、マレーシアの石油大手ペトロナスとバイオ燃料に関する共同研究を始めたと発表した。ミドリムシなど微細藻類の大量培養や精製技術を確立し、バイオ燃料の大量生産につなげる。両社がもつ知見や技術を組み合わせ、バイオ燃料のコスト引き下げをめざす。

ペトロナスの子会社と組み、研究開発は主にマレーシアで実施する。微細藻類の培養や油脂を絞る技術などのテーマに取り組む。抽出した後の副産物は飼料などに再利用することも検討する。研究期間は2026年末までで、25年末時点の成果を踏まえてバイオ燃料の試験製造を検討する。

バイオ燃料は化石燃料由来の燃料と比べて二酸化炭素(CO2)排出量を抑えることができる。現在は廃食用油由来の燃料が主だが、供給量には限りがある。ユーグレナの藻類の培養技術やペトロナスの精製技術などを組み合わせ、藻類由来の燃料コストを引き下げる。

ユーグレナは7月にペトロナスやイタリアのエネルギー大手エニとマレーシアのバイオ燃料プラントへの投資を決めた。生産能力は年間約72.5万キロリットル相当で、28年後半までに運転を始める。当面は原料に廃食用油を使うが、ユーグレナは将来ミドリムシの活用も視野に入れ、年間10万トン規模の原料生産を目指す。

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