JR博多駅の新幹線改札口に掲示された台風10号の影響で運転を取りやめる列車の運行情報(28日、福岡市)

台風10号の接近により、九州地方を中心に工場の稼働停止や店舗の営業休止を決めた企業が相次いでいる。

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キヤノンは九州にあるカメラ関連と複写機の消耗品の4つの製造拠点で週末にかけて休日とし、9月の祝休日を稼働日にする措置をとる。

大分キヤノン(大分県国東市)と長崎キヤノン(長崎県波佐見町)は30日を休日とし、9月16日を稼働する。宮崎キヤノン(宮崎県高鍋町)は29〜30日を休み、9月16日と21日を稼働日とする。大分キヤノンマテリアル(大分県杵築市)は30日を休日とし、21日に稼働する。

ホンダは二輪車の主力工場である熊本製作所(熊本県大津町)について、29日と30日の稼働を止める方針を決めた。台風の接近に伴い「人員の安全確保のため」(同社)としている。

安川電機は北九州市を中心に九州地区にあるロボットやモーターなどの工場について、30日の稼働を停止することを決めた。三菱重工業も長崎造船所(長崎市)で29日は終日、30日は午前中の出社を制限する。

住設業界ではYKKAPが九州製造所(熊本県八代市)の生産ラインを29日正午から30日午後5時まで停止することを決めたほか、TOTOは九州の一部ショールームとTOTOミュージアムを29〜30日に臨時休館する。

小売りも臨時休業や時短営業

小売り各社も臨時休業などの対応をとる。イオン傘下のイオン九州は鹿児島と宮崎の両県で総合スーパーや食品スーパーなど主に22店舗で短縮営業に切り替え、一部は翌日の臨時休業を決めた。

総合スーパーのイオン鹿児島鴨池店(鹿児島市)は通常は午後11時までの営業を28日は正午で切り上げ、29日は終日休業する。食品スーパーのマックスバリュ都北店(宮崎県都城市)も通常は24時間営業だが28日は午後11時に閉店する。

コンビニエンスストア大手のセブン―イレブン・ジャパンやファミリーマート、ローソンは、一時休業を含めて柔軟に対応する方針だ。

今後、台風が近づくにつれ九州以外の地域でも稼働停止が広がり、物流やサプライチェーン(供給網)に大きな影響を与える恐れがある。

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