欧州自動車メーカーで在庫の調整局面が続いている(写真はインダクター)

電子情報技術産業協会(JEITA)は30日、6月の日本メーカーの電子部品出荷額が前年同月比で0.6%増の3615億円だったと発表した。4カ月連続で前年実績を上回ったが、伸び幅は4月の14%、5月の7%に比べて小さくなった。個人消費が低迷している欧州の工場向けが伸び悩んだ。

国・地域別の出荷額でみると、欧州向け出荷額は378億円と11%減った。金利の高止まりで、個人消費が低調なためとみられる。欧州の自動車メーカーで在庫の調整局面が続いていることから、車載用の部品の出荷が落ち込んだ。

米州向けは1%減の433億円だった。工程を自動化するファクトリーオートメーション(FA)などの産業機器や自動車向けの出荷が落ち込んだ。人工知能(AI)需要の増加に伴い、データセンター向けの部品の出荷が伸びたが補えなかった。中国向けは3%増の1259億円、日本と中国を除いたアジア地域では5%増の759億円だった。

品目別ではスマホの手ぶれ補正に用いるアクチュエーターが22%増の359億円、電子回路内の電流を一定に保つインダクターは2%増の294億円だった。AIを搭載した新モデルの発表などから、スマホ向け部品を中心に復調傾向にある。一方、コネクターは1%減の519億円だった。

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