▼代替たんぱく質 食肉や魚、牛乳をはじめとする既存のたんぱく源のかわりに植物性原料を用いた商品など代替となる新たな食品をさす。豆などからつくる植物肉のほか、家畜や魚類の細胞を培養して増やす培養肉、微生物の発酵を用いた「精密発酵」による乳製品風の食品、昆虫食などが代表的だ。

世界の人口増加による食料需要の拡大でたんぱく源が足りなくなる「たんぱく質危機」への備えとなる。畜産で生じる温暖化ガスの削減にも寄与するとして関心が高まり、スタートアップや大企業の参入が相次いだ。世界のスタートアップ向け投資は2023年まで2年連続で落ち込んだが、米国の金利上昇下で投資家が投資そのものへの慎重姿勢を強めていることも背景にある。

食料安全保障の観点で欧州連合(EU)が植物性たんぱく質の生産拡大を掲げるなど各国・地域の競争は激しい。既存の産業や食文化と摩擦もある。イタリアは培養肉の禁止法案を可決し、米国でもフロリダ州とアラバマ州は培養肉の製造・販売を禁じた。普及には技術革新による味やコストの改善に加えて社会との対話が必要だ。

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