ラグジュアリーブランドのバッグや時計・宝飾が売り上げを支えた(東京都新宿区の伊勢丹新宿本店)

三越伊勢丹ホールディングスなど百貨店大手4社が2日発表した8月の既存店売上高(速報値)は、全社が前年同月比で増収だった。一部店舗では台風に伴う休業や営業時間の短縮もあったが、国内外の客から需要が旺盛だったラグジュアリーブランドのバッグや時計・宝飾といった高額品が売り上げを押し上げた。

三越伊勢丹は16.7%増、エイチ・ツー・オーリテイリンググループの阪急阪神百貨店は11.1%増、高島屋は7.3%増、J・フロントリテイリンググループの大丸松坂屋百貨店は6.8%増だった。阪急本店(大阪市)の宝飾品の売り上げは4割増えた。伊勢丹新宿本店(東京・新宿)では8月に外商客など上位顧客向けの催事「丹青会」を開催したことも売り上げに寄与した。

外出の機会が増える中で大丸松坂屋百貨店ではサングラスの売り上げが20%増となった。高島屋ではスーツケースを含む旅行用品が25%増えた。

免税売上高の伸び率をみると、阪急阪神百貨店が5割増だった。高島屋は47.1%増、三越伊勢丹は39.7%増、大丸松坂屋は39.6%増だった。前月に引き続き、中国や韓国などアジア圏からの来店客による高額品の売り上げがけん引した。

前年同月比で増収は維持したものの、ある百貨店からは「8月は為替が円高に振れたことや台風・地震への懸念もあり以前ほどの勢いはなかった」との声も聞かれた。

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