2023年度に医療機関に支払われた医療費(概算)は47兆3千億円で、前年度より1兆3千億円(2.9%)増え、3年連続で過去最高となった。厚生労働省が3日発表した。コロナ禍の影響が薄れる一方、インフルエンザをはじめ感染症の流行などが押し上げたとみられる。

 厚労省によると、23年度の1人あたりの医療費は38万円で、前年度より1万2千円(3.4%)増えた。年齢別にみると、75歳以上は96万5千円(前年度比0.9%増)だった。75歳未満は25万2千円(同2.9%増)で、うち未就学の子どもは26万1千円(同6.7%増)と伸びが目立った。インフルエンザやRSウイルスなどが流行し、若年層の医療費を押し上げる要因となった。

 医療費の前年度と比べた増減率は、コロナ禍前の水準に戻りつつある。20年度はコロナ禍による受診控えの影響で急減。21、22両年度は反動もあって前年度比4%以上伸びたが、23年度は2%台となった。(吉備彩日)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。