交通空白解消本部に出席する斉藤鉄夫国交相(4日、東京都千代田区)

国土交通省は4日、公共交通機関を利用するのが困難な交通空白地の解消に向け、官民連携の新組織を年内に設置すると発表した。国や自治体や交通事業者、配車アプリなどのサービスを持つ企業が連携する。日本版ライドシェアなどを地域にも拡充させることで、住民や観光客の移動の足を確保する。

新組織は「交通空白解消・官民連携プラットフォーム(仮)」。地域のタクシー会社が連携して一元的な配車システムを導入すること、複数市町村がタクシーや公共ライドシェアの運行を一括で運営する広域組織を設立することなどを想定する。

同日、交通空白解消本部に出席した斉藤鉄夫国交相は「さまざまな技術やサービスを持つ民間企業などを巻き込み分野や業種の垣根を越えて一体となった取り組みが重要だ」と述べた。

国交省はバス停や駅が近くになくタクシーが30分以内に配車されない地域を交通空白地としている。現在はタクシー会社が管理する日本版ライドシェアと自治体やNPO法人などが運営する公共ライドシェアがあり、8月時点で全国783の自治体がライドシェアを導入。478自治体が導入に向け準備を進め、90自治体が乗り合いタクシーなどの取り組みを進める。

運転手不足により観光客のタクシー利用が難しくなっている駅や空港などの交通結節点でも取り組みを進める。聞き取り調査などで149カ所で交通空白の課題があるとされ、これまでに58カ所でライドシェアのほか乗り合いタクシーや交通事業者による二次交通サービスの導入が検討されている。

地域への日本版ライドシェア拡充に向け、配車アプリが普及していない地域でも電話などを使って導入するためのガイドラインを近々公表する。大都市部以外ではタクシー事業者の申し出によって供給車両数を拡大できるようにする。斉藤国交相は年内に全都道府県へ日本版ライドシェアの導入を目指すよう指示を出した。

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