先行開業の日を迎えたグラングリーン大阪(6日午前、大阪市北区)

JR大阪駅北側の再開発地区「グラングリーン大阪(うめきた2期)」が6日午前、先行開業した。「みどりとイノベーションの融合拠点」を掲げ、4.5ヘクタールの広大な緑地公園を中心に商業施設やホテル、産官学連携拠点が入る。オフィスやタワーマンションの整備も進み、「大阪最後の一等地」に職住一体の街が生まれる。

グラングリーン大阪は、2013年に開業した1期地区「グランフロント大阪」に続く、旧梅田貨物駅跡地「うめきた地区」の再開発プロジェクトだ。三菱地所や積水ハウス、阪急電鉄、オリックス不動産など9事業者が参画する。グラングリーンの総事業費は約6000億円で、1期もあわせると1兆数千億円にのぼる。

6日に北街区の複合ビルと公園エリアの一部が開業した。25年春には南街区の複合ビルも開業し、27年度に全面開業を予定する。

南北の街区9.1ヘクタールのうち、緑地公園が半分を占める。ターミナル駅直結の都市公園としては世界最大級といい、近隣住民やオフィスワーカー、国内外の観光客が集う憩いの場となる。

商業面では19店舗が営業を始めた。ホームセンターのコーナン商事は初の都市型ブランド「ガーデンズウメキタ」を開いた。観葉植物やアクアリウムなど生活を彩る商品を販売する。米アウトドア用品のパタゴニアは、常設店で初となる中古ウエア販売を始めた。

ホテルは北館10〜25階に「キャノピーbyヒルトン大阪梅田」が入る。たこ焼きの鉄板をモチーフにして丸い穴に照明を付けた天井など、内装に大阪の文化を取り入れた。

産官学連携のイノベーション施設「JAM BASE(ジャムベース)」には、スタートアップやベンチャーキャピタル(VC)が入居する。大阪大学や立命館大学、関西経済連合会も拠点を設ける。

南街区で11月以降に開業するオフィスエリアでは11万3000平方メートルを供給し、200社1万人の就業をめざす。これまでにクボタや塩野義製薬が本社移転を決めた。ホンダのソフトウエア開発拠点や富士通の大阪拠点も入る。オフィス入居率は見込みも含めると75%だ。

買い物など生活や通勤に便利な環境で、住む場所としても評価される。建設が進む分譲タワーマンション2棟のうち、先行販売された北棟では1室の分譲単価が関西最高価格の25億円を記録した。

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