日本生命保険は6日、代理店への出向者などが他の保険会社に加入する契約者の個人情報を漏洩していたと発表した。グループ全体で約18万件にのぼる。すでに第一生命保険も少なくとも約11万件の漏洩があったことを明らかにしている。損害保険業界で起きた大規模な情報漏洩が生命保険業界にも広がってきた。
金融庁が業界団体の生命保険協会を通じ、協会に加盟する生保各社に調査と報告を要請していた。
日本生命などが子会社から受ける業績報告のなかに、他社を含めた契約者の情報が含まれていた。発生した時期は2021年7月〜24年4月で、契約者の氏名や生年月日、保険料が含まれていた場合もあった。人数ベースでは9万6000人分となる。同社は「営業の目的で情報を使った事実は現時点で確認できていない」とコメントした。
保険料は性別や年齢で決まるため、保険料が割り増しとなっている契約者がいれば健康上のリスクが高いと推察することができる。日本生命ではそうした情報を利用した事実も確認できていないとしている。
第一生命も代理店に出向している社員が少なくても約11万件にのぼる契約者の情報を漏洩していたと発表した。今回は調査期間が限られており、業界全体で漏洩の規模が今後膨らむ可能性はある。明治安田生命保険や住友生命保険では現時点で情報漏洩を確認できていないという。
損害保険大手4社は8月30日に計250万件の情報漏洩があったと公表した。保険代理店に出向していた社員が出向元の損保に個人情報を流したり、損保各社が自動車保険を取り扱うディーラーから情報を受け取ったりしていた。
なかには契約の乗り換えを促す目的で出向者に情報の漏洩を依頼していた事例もあったという。金融庁は組織的な関与の有無などを調べている。
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