【ヒューストン=花房良祐】航空宇宙大手の米ボーイングが開発した新型宇宙船「スターライナー」は米中部時間6日午後5時(日本時間7日午前7時)ごろ、国際宇宙ステーション(ISS)を無人で出発し、地球への帰路に就いた。同日深夜に米西部ニューメキシコ州に着地する予定で、収集したデータを今後の開発に生かす。
スターライナーは6月に初めてテストパイロット2人を乗せて打ち上げISSに到着したが、推進装置などに不具合が発生した。米航空宇宙局(NASA)は有人での帰還にリスクがあると判断し、帰路は無人で帰還させることにした。
ニューメキシコ州に着地後、宇宙船はボーイングの施設で船体の状況を詳しく調査する。不具合が発生した推進装置は地球帰還の際に分離して放棄するため実物を調べることはできないが、ISS接続中に噴射実験などを実施したほかISSから出発する際などにも推進装置を使用しており、データを分析して今後の改善につなげる。
ISSには現在、9人が滞在している。通常は7人体制で科学実験などを実施。半年おきに交代する。スターライナーに乗ってきたテストパイロット2人は2025年2月にスペースXの宇宙船「クルードラゴン」で帰還する。
当初1週間程度だった2人の滞在予定は約8カ月に延長される。ISSに到着した宇宙飛行士が往路とは別の宇宙船で地球に帰還するのは異例だ。
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