▼株式報酬 企業が従業員や役員に株式で報酬を渡す制度。支給額が企業の株価や業績と連動するため、従業員などの士気向上につながるとされる。決められた価格で株式を購入できる権利「ストックオプション(株式購入権=SO)」、信託などを使った「株式給付信託(日本版ESOP)」、売却を一定期間制限する株式「譲渡制限付き株式報酬(RS)」などがある。

日本で広く使われてきた従業員持ち株会制度は在職中も保有株を自由に処分できるうえ、任意加入のため企業価値向上への動機づけが弱かった。1997年の商法改正でSOが解禁され、2000年代には米国の制度を参考に日本版ESOPが始まった。16年の税制改正でRSも導入が広がった。

野村証券によると、24年6月末時点で従業員向け株式報酬制度のうち、RSが5割を超える。RSは売却制限期間中でも配当金を受け取ることができる。これに対し、日本版ESOPは信託銀行に支払う手数料がかかるが、運営管理などの事務負担は軽い。SOは事前に決められた価格よりも株価が上昇していれば、売却時の差益が大きくなる。スタートアップなどの活用が多い。

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