企業が自治体に寄付をする「企業版ふるさと納税」の昨年度の全国の自治体の寄付実績で、全国1位が宮城県、2位が仙台市となった。

 両者で全国の寄付総額の1割強を占めた。たまたま大口寄付が重なったという事情だった。

 内閣府によると、昨年度の自治体別の寄付受け入れ実績は、宮城県26件25億8千万円、仙台市18件24億円、3位は能登半島地震の支援で寄付が集まった石川県で、1026件23億1千万円。全自治体の合計は約1万4千件470億円だった。

 仙台市では、ヨドバシホールディングス社が昨年5月、JR仙台駅東口に新たな複合商業ビル「ヨドバシ仙台第1ビル」がオープンするのに合わせ、駅と結ぶペデストリアンデッキなどを整備。企業版ふるさと納税の制度を使って市に現物寄付し、評価額約21億6千万円の超大口寄付となった。

 県にも同様に大口寄付があった。担当課は「知事らのトップセールスの結果だが、企業が社名、寄付額とも公表を望んでいない」としている。

 企業版ふるさと納税は、地方創生につながる事業に寄付をすると、最大で寄付額の9割の減税が受けられる。個人版のふるさと納税とは異なり、企業への「経済的な見返り」は禁じられている。(石橋英昭)

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