JFEホールディングス(HD)の寺畑雅史副社長は10日までにインタビューに応じ、豪ブラックウォーター炭鉱への約540億円の出資について、「使い慣れた原料炭を長期にわたり安定的に確保することが非常に大事だ」と意義を語った。良質な原料炭を使うことで、二酸化炭素(CO2)の排出を減らせるため、今後も原料炭の権益確保に努める考えを示した。

傘下のJFEスチールは8月、ブラックウォーター炭鉱への出資を通じ、10%の権益を取得すると発表した。日本製鉄も約1080億円を投じて20%の権益を取得。不純物の少ない高品質な原料炭を使えば使用量を減らすことができ、CO2排出削減につながるため、鉄鋼各社は原料炭の権益確保を進めている。

世界的な脱炭素化の流れを受け、新規の鉱山開発は滞り、さらに石炭権益を手放す商社やサプライヤーが増えることにより、その後の鉱山運営が適切に行われるかどうか懸念もあるという。寺畑氏は「原料炭の安定供給のためにはきちんとした鉱山運営が非常に重要だ」と強調。その上で「利用者としてできる限りの支援を考えると、投資が一つの選択肢になる」と語った。

インタビューに応じるJFEホールディングスの寺畑雅史副社長=8月30日、東京都千代田区

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