ホンダが中国で生産調整に乗り出した。在庫が積み上がっていることから、中国にある7工場のうち3工場で、8月下旬から稼働を一時止めている。電気自動車(EV)のシェアが伸びる中国市場で、ガソリン車中心の日系メーカーの苦戦が一段と際立っている。

 ホンダは中国で広汽ホンダ(広東省広州市)と東風ホンダ(湖北省武漢市)という二つの合弁会社を抱える。このうち東風ホンダの全3工場で8月26日~9月11日の17日間、稼働を停止する。7、8月に生産した完成車の在庫が積み上がっており、生産調整が必要になったという。3工場はそれぞれ年間24万台、計72万台の生産能力がある。このうち1工場は11月での休止が決まっている。

 東風ホンダでは8月下旬から希望退職を募集していたことも分かった。既に締め切っているが、応募人数は非公表だ。5月には広汽ホンダでも希望退職を募っていた。ホンダは2025年3月までに中国全体で計3千人程度の人員削減をする予定だが、今回の希望退職でその数はさらに増えることになる。

 EVなどの「新エネルギー車」の販売が伸びる中国市場で日系メーカーの販売は低迷しており、ホンダの1~8月の新車販売台数は前年同期比27.2%減の約52万5千台だった。(北京=鈴木友里子)

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