【ヒューストン=花房良祐】石油メジャーの米エクソンモービルは12日、三菱商事と出光興産がエクソンのアンモニア生産事業への出資を検討していると発表した。出資にくわえ、事業が生産するアンモニアを調達する。日本の電力会社や化学メーカーなどに販売して温暖化ガスの排出削減につなげる狙いだ。
三菱商事と出光興産は、エクソンが米南部テキサス州ヒューストンに立ち上げる大型プラント事業に関与する。天然ガスを原料に年100万トン以上のアンモニアを製造する計画で、アンモニアは製造工程で発生する二酸化炭素を回収・貯留して低炭素の「ブルーアンモニア」となる予定だ。
エクソンはこのプラントについて、2025年に正式に事業化を決定し、29年に生産を始めるとしている。三菱商事と出光はいち早く、プラントからの調達にメドをつける格好だ。出資の詳細は明らかにしていない。
アンモニアは燃焼しても温暖化ガスを排出しない次世代エネルギーとして期待されている。日本の電力会社が石炭に混ぜて火力発電所の燃料とすることを検討して、メーカー各社も工場の蒸気を製造する燃料として使用する公算が大きく、今後の需要増加が見込まれている。
そのなか、日本企業はアンモニアの調達先として米国に注目している。米国は世界最大の天然ガス生産国。低炭素のアンモニア生産を巡って、天然ガスを使用する手法が有力視されているからだ。今回のような事業出資計画が今後、増えていく可能性がある。
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