19日午前の東京株式市場で、日経平均株価は前日終値より578円76銭高い3万6958円93銭で取引を開始した。上げ幅は一時、800円超まで広がり、3万7千円台を回復した。米国の中央銀行にあたる米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げをきっかけに、外国為替市場で円相場は一時、円高ドル安が進んだが、その後は一転して円安に振れている。輸出関連を中心とした日本株には追い風になっているようだ。

 FRBの利下げ幅は通常の2倍にあたる0.50%となり、日米の金利差が縮まるという見方から発表直後は円高ドル安の圧力が働いた。しかし、利下げのペースは今後緩やかになるという受け止めが徐々に広がり、その後は円安方向に転じた。午前9時過ぎには前日夕より1円超円安ドル高の1ドル=143円台前半をつけた。

 18日の米ニューヨーク株式市場で主要な株価指数はそろって下落したが、東京株式市場では円安の流れが好感されている。ただ、日本銀行は19、20日に金融政策決定会合を開く。今回は利上げを見送る公算が大きいが、市場には警戒感もくすぶっている。(久保田侑暉)

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