日野自動車は4年ぶりに最終黒字を確保したが、本業で苦戦している

日野自動車が25日発表した2024年3月期の連結決算は、最終損益が170億円の黒字(前の期は1176億円の赤字)に転換した。本社工場の西側エリアなど固定資産を売却し、4年ぶりの黒字だ。一方、主力市場の東南アジアではインフレによる景気悪化で販売が低迷し、営業損益は81億円の赤字(前の期は174億円の黒字)だった。

本社工場の一部や子会社工場などの売却で1295億円の特別利益を計上した。米国のトヨタ自動車向け部品工場の収益性低下で計上した112億円の特別損失の影響などを吸収した。22年に発覚したエンジン認証不正で傷んだ財務の強化を優先するとして配当は見送った。

売上高は微増の1兆5162億円。世界販売台数は13万台と10%減った。円安で増収を確保した。

25年3月期の売上高は前期6%増の1兆6000億円を見込む。純利益はエンジン認証不正に伴う補償額などの見積もりが難しいとして開示を見送った。国内での販売増や原価低減を見込む。

同社は、24年12月末までに三菱ふそうトラック・バスとの経営統合を予定していたが無期限で延期した。小木曽聡社長は同日の会見で「統合に関する協議は前向きに進んでいるが、米国向けエンジン認証に関する米政府の調査が見通せる状態でないと先にはなかなか進まない」と話した。

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