1万円を下回る新商品「弐光」を発表した生駒龍史社長(12日、東京都港区)

高級日本酒ブランド「SAKE HUNDRED(サケハンドレッド)」を手掛けるクリア(東京・渋谷)は24日、初の小売店向け新商品を発売した。価格は1本9900円で、同社としては2020年のリブランディング以降では最安。これまで自社のオンラインショップを主な販路としてきたが、全国のスーパーや百貨店などで扱うことで高級日本酒の間口を広げる。

新商品の名称は「弐光(にこう)」。原料の一部に米ぬかを使い、和梨のような甘みと酸味のある味わいに仕上げた。720ミリリットルで、他の商品と同様スパークリングワインのような形の瓶を採用した。

日本酒は数千円台が中心とされるが、サケハンドレッドの主力の純米大吟醸「百光(びゃっこう)」は3万8500円で販売している。平均購入単価は新規客でも4万円超。1万円を下回る商品は20年のリブランディング以降初めてだ。

生駒龍史社長は「小売店では2万〜3万円の日本酒は高いという意識が根強く、1万円前後の商品がほしいという要望が寄せられていた」と説明する。これまで世界観を保つため断ってきたが、ブランドイメージが確立してきたとみて「接点を広げるための商品」(生駒社長)を投入する。

クリアは2013年創業の日本酒スタートアップ。各地の酒蔵に醸造を委託して高価格帯の日本酒を生産している。海外展開にも力を入れており、中国や米国、香港、シンガポールなどに輸出している。

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