大都市圏の店舗で訪日客の消費を取り込んだ

スギホールディングス(HD)が24日発表した2024年3〜8月期の連結決算は、純利益が前年同期比27%増の130億円だった。8月に南海トラフ地震の臨時情報(巨大地震注意)が発令され、レトルト食品や水、防災備蓄品の販売が伸びた。アプリを活用した販売促進が奏功し、印刷費など販促費を抑えた。

売上高は13%増の4138億円だった。大都市圏の店舗でインバウンド(訪日外国人)の消費を取り込み、単価の高い健康食品などが好調だった。土産品としての需要が高い菓子や玩具の品ぞろえを強化したほか、夜間の営業時間を延長した効果も出た。中部地方などで69店舗を新たに出店したのも増収につながった。

25年2月期の通期予想は据え置き、売上高は前期比9%増の8100億円、純利益は14%増の250億円を見込む。スギHDは2日付で調剤薬局などを展開するI&Hを買収したが、通期予想への反映は見送った。スギHDは「I&Hの財務状況の精査に時間がかかっているため」としている。買収価格や事業計画を含めて後日開示するという。

I&Hが消費税の還付を巡って国税局から追徴課税処分を受けたことについては「追徴課税を受ける可能性は(買収の前に)知らされていた」(スギHD)と説明した。

同社は傘下のスギ薬局で発生した調剤ミスに関する民事訴訟も提起されている。スギHDは「大変申し訳なく思っている。ミスの管理やチェックに力を入れたい」と話した。客足などには大きな影響は出ていないという。

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