8月の百貨店売上高は30カ月連続でプラスとなった(東京都中央区の高島屋日本橋店)

日本百貨店協会が25日発表した8月の全国百貨店売上高は、既存店ベース(179店舗)で前年同月比3.9%増の4034億円だった。入店客数は1.8%増で、売上高とともに30カ月連続でプラスだった。インバウンド(訪日外国人)消費が好調で、免税売上高は45.7%増の463億円だった。

免税の購買客数は44.8%増の45万3千人だった。中国本土や韓国、台湾などからの客が多く、高級ブランド品や化粧品などが売れた。国内の売上高は0.2%増と2カ月ぶりのプラスとなった。高額品や夏物が好調だった。

商品別の売上高は、高級ブランドを含む身のまわり品が7.7%増、美術・宝飾・貴金属が9.7%増。訪日客のほか富裕層を中心とした外商催事などが奏功した。猛暑で夏物の衣料品や日傘なども売れた。物価高の影響で食料品は1.2%減と2カ月連続でマイナスとなった。

都市別では東京23区や大阪など10都市が5.6%増と35カ月連続でプラスだった。訪日客や高額品の需要を取り込んだ。台風の影響などで10都市以外は1.5%マイナスとなった。

9月1〜18日の主要百貨店(41店舗)の売上高は前年同期比で2.4%マイナスだった。そごう・西武の西武池袋本店(東京・豊島)の改装工事による減収が影響したとみられる。

同協会の西阪義晴専務理事は為替が円高方向に振れたことの影響は限定的とした上で、「10月の中国の国慶節(建国記念日)に大いに期待している」と話した。

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