川崎重工業は有害な窒素酸化物の規制が始まった2000年以降、大型貨物船やコンテナ船、タンカーなどに搭載された船舶用エンジン673台で燃費性能に関わる測定データを改ざんしていたと先月発表しました。

問題を受けて、会社は社内調査を行い、27日、国土交通省に中間報告書を提出しました。

この中では、燃費の性能を満たさなければならないというプレッシャーから検査不正が行われてきたと指摘したうえで、背景として、コンプライアンス違反の認識があっても言いだせない組織風土や、品質よりも納期や利益を優先してしまう意識があったとしています。

会社では、グループ会社の不適切行為を受けて2年前にも一斉調査を行いましたが、不正を認識していた従業員がいたにもかかわらず、是正につなげられなかったとしています。

そのうえで再発防止策として、計測データの改ざんができないようパソコンを改修したほか、事業部門の検査に直接関わらない品質保証本部の監査員がデータの妥当性を確認するなどとしています。

この問題では外部の有識者からなる特別調査委員会が調査を続けていて、詳しい原因究明や再発防止策の検討を進めています。

橋本社長「たび重なるコンプライアンス違反 大変申し訳ない」

川崎重工業の橋本康彦社長は27日午後、記者会見を開き、船舶用エンジンで燃費性能のデータを改ざんしていた問題などについて「たび重なるコンプライアンス違反について皆様にご心配やご迷惑をおかけし、大変申し訳なく心からおわび申し上げます」と述べ、陳謝しました。

その上で、「すべてのうみを出し切る覚悟でコンプライアンス・ガバナンス体制の再構築また、再発防止に向けた取り組みを徹底し、信頼回復に向けて企業風土の改革に全力で努めてまいります」と述べました。

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