DICが運営を見直す川村記念美術館(千葉県佐倉市)

DICは30日、保有・運営するDIC川村記念美術館(千葉県佐倉市)の休館を当初予定の2025年1月下旬から3月下旬に2カ月延期すると発表した。8月下旬の休館予定の発表後、土日祝日の来館者数は、発表前と比べて5倍に増えた。DICは「休館予定を延ばすことで、来館者数を平準化したい」と説明した。

今後の美術館運営の検討結果は24年12月末までに公表予定。東京に移転するか運営を中止するかを検討している。経営における資産効率を重視する投資家などから美術館の運営方法の見直しを求める意見が出ていた。

祖業をインキ事業とするDICは「彩りと快適」を象徴する存在として美術館を運営してきた。美術館の土地と建物、所蔵する754点の美術作品のうちクロード・モネの「睡蓮」やパブロ・ピカソの作品など384点を保有しており、資産価値(6月末時点、簿価ベース)は112億円に上る。

美術館を巡っては8月の休館予定の発表以降、立地する佐倉市が署名活動を進めるなど存続を求める声が上がっている。

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