大手損害保険会社の損害保険ジャパンは1日、新宿区の本社で内定式を開き、来年4月に入社を予定しているおよそ300人の学生が参加しました。

式では人事担当の酒井香世子 常務が「保険金の不正請求問題や保険料調整行為など一連の問題を厳粛に受け止め、社会的な信頼回復を目指しています。遠慮せず自分の価値観を共有し、いち社会人として思ったことを素直に言うことを大切にしてください」などと述べました。

旧ビッグモーターによる保険金の不正請求への対応や、企業向けの保険をめぐる価格調整などの問題では、金融庁から上司の決定に異議を唱えない企業文化が問題の原因の1つと指摘されました。

このため、会社では役員と各職場の社員が直接対話するミーティングを全国で開くなど、企業文化の変革を目指しています。

新入社員の足立玲央さんは「不安もありますが期待感が高まっています。何事にも真摯(しんし)に取り組む社会人になりたいです」と話していました。

来春卒業の大学生内定率94.2% 前年同期比2.7ポイント増

リクルート就職みらい研究所によりますと、来年春に卒業する大学生の9月1日時点の内定率は94.2%で、前の年の同じ時期と比べて2.7ポイント増えました。

就職活動が今のスケジュールになった2017年卒以降で最も高くなっていて、人手不足が深刻化するなか学生優位の「売手市場」が続いています。

学生に内定を得た企業の業種を複数回答でたずねたところ
▽情報通信業が26.8%
▽日用品、食品などの製造業が17.3%
▽電機、自動車といった機械器具の製造業が15.3%
▽金融・保険業が15.2%などとなっています。

また、いくつの企業から内定を得たか聞いたところ
▽「2社以上」が67.6%
▽「4社以上」が21.4%
▽「6社以上」と答えた学生も6.3%いて
内定を辞退する学生が年々増えているということです。

このため企業の間では、内定を出したあと座談会や懇親会などを開き、学生と継続的に関わりを持つようにしたり、就職後の配属や業務を事前に知らせたりする動きも活発になっていて、どう学生に入社してもらうかが大きな課題になっています。

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