KDDIは26日、ローソンへのTOB(株式公開買い付け)が成立したと発表した。三菱商事と50%ずつを出資する持ち分法適用会社にする。KDDIは通信大手で唯一、全国展開する小売りチェーンをグループに持つことになる。消費者との接点が多いコンビニとの連携を経済圏拡大につなげる。
TOBは3月28日〜4月25日に1株1万360円で実施した。買い付け予定数の下限(全体の約3割にあたる約1445万株)を上回る約3903万株の応募があった。5月7日に決済を始める。もともとローソン株を2.1%保有していた。
KDDIは通信事業を軸とする経済圏拡大を狙う。携帯電話ユーザーをコンビニに誘導する上でカギを握るのがポイントだ。KDDIとローソンが運営面で協力してきた共通ポイント「Ponta(ポンタ)ポイント」のてこ入れをする。
コンビニは消費者とのリアルな接点を生み出す。KDDIは相乗効果を出せるポイントサービスの具体化を急ぐ。ローソンの店舗を「未来のコンビニの実験場」と位置づけ、オンライン接客サービスなども検討する。
ポイントを巡る通信大手の競争は激しさを増している。NTTドコモはアマゾンジャパン(東京・目黒)と決済やポイント事業で提携した。楽天グループは傘下の銀行や証券会社のサービスと併用することでポイントがたまりやすくなる仕組みで先行している。
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