ダイドーリミテッドは減資に踏み切る(ダイドーリミテッドが展開するニューヨーカーの店舗)

衣料品ブランド「ニューヨーカー」を展開するダイドーリミテッドは3日、資本金を68億円から1億円に減らすと発表した。減少分は「その他資本剰余金」に振り替える。2025年3月期以降、最大50億円の自社株買いと年間配当を24年3月期実績の50倍となる100円にするなどの大幅な株主還元をする方針で、その原資などに充てる。

12月17日に臨時株主総会を開いて決議する。資本準備金は31億円から2500万円に減らし、利益準備金も9億5954万円から0円にする。資本準備金の減少分は全額を「その他資本剰余金」に、減少する利益準備金は全額を「その他利益剰余金」に振り替える。同社は「資本政策の機動性を確保することが目的」と説明する。

減資の効力発生日は25年1月1日。ダイドーは資本金が1億円以下になり、税制上は中小企業扱いとなる。

これまで資本金1億円以下の中小企業は、赤字でも一定の税負担が発生する「外形標準課税」の対象から外れていたが、24年度の税制改正で25年4月からは「資本金と資本剰余金の合計額が10億円超」の企業が同課税の対象に加わることになった。

ダイドーは24年3月期末時点で、この合計額が約118億円となっている。25年3月期は外形標準課税の免除を受けるが、資本金と資本剰余金の合計額がこの水準のままであれば、26年3月期以降は免除は受けられないとみられる。

ダイドーは24年3月期に11期連続の連結営業赤字を計上した。6月の定時株主総会ではアクティビスト(物言う株主)のストラテジックキャピタル(ストキャピ、東京・渋谷)から経営陣刷新を求める株主提案を受け、取締役の一部にストキャピが提案した候補者が就いた。

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