大賞を受賞したスンダテクノロジーグローバルの坪井代表(7日、大阪市)

EY新日本監査法人は7日、優れた起業家を表彰する「EYアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー2024ジャパン」の関西地区イベントを大阪市内で開催した。ビジネスアイデアを競うピッチバトルでは、東アフリカ・ウガンダで水料金の支払いシステムを提供するSunda Technology Global(スンダテクノロジーグローバル、京都市)が大賞を受賞した。

スンダ社は手動で水をくみ上げる井戸にデジタル技術を導入することで地域住民の水利用を効率化するサービスを展開している。あらかじめ住民に配布した独自開発の小型タグに、携帯電話を使って水利用に必要な料金をチャージする。井戸に後付けした機器にタグを差し込むことで、水をくみ上げる仕組みだ。

ウガンダでは壊れて使えなくなっている井戸も多いという。坪井彩代表は同日のピッチで「持続可能な井戸の管理のために、水料金の回収がボトルネックになっている」と指摘した。スンダ社の機器は既存の井戸に後付けで設置できるという。足元ではウガンダで約300基を設置しており、今後はウガンダ以外のアフリカ諸国にも広げたい考えだ。

ピッチバトルには核融合発電の実現を目指すEX-Fusion(エクスフュージョン、大阪府吹田市)の松尾一輝最高経営責任者(CEO)、魚群の位置情報を漁師に提供するサービスなどを手掛けるオーシャンアイズ(京都市)の田中裕介代表、養殖魚の腸内細菌を研究するホロバイオ(京都市)の梅田眞郷社長も登壇した。

審査員は東証グロース市場に上場しているBCCの伊藤一彦社長ら3人が務めた。会場の出席者が投票して決める「オーディエンス賞」もスンダテクノロジーグローバルが受賞した。

EYアントレプレナー・オブ・ザ・イヤーは毎年実施しており、世界中から優れた起業家を選出する。既に企業の規模が比較的大きな会社の起業家を対象として11月から12月に日本代表を決める全国大会を実施する予定で、関西地区の代表にはマイクロ波化学の吉野巌社長を選出した。

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