アングロ・アメリカンはBHPグループの買収提案を拒否した=ロイター

【ロンドン=湯前宗太郎】資源大手の英アングロ・アメリカンは26日、オーストラリア同業のBHPグループによる買収提案を拒否すると発表した。BHPが提示した388億ドル(約6兆円)の買収額などが過小であるとしている。今後はBHPが提案額をさらに引き上げるかが焦点となる。

アングロが26日に発表した声明文で、同社のスチュアート・チェンバース会長はBHPの提案について「魅力的でなく、不確実性やリスクをもたらす」とコメントした。BHPがアングロの企業価値を「過小評価」していることなどを理由に挙げ、取締役の全会一致で買収を拒否すると決めた。

BHPは25日にアングロへ買収を提案したと発表した。ロイター通信によると、買収が実現すれば鉱山業界で過去10位以内に入る大型案件になる可能性があるという。

アングロは銅が主力事業の1つで売上高の2割を占める。BHPは今回の買収により、電気自動車(EV)の普及などで需要が伸びる見込みの銅事業の強化を狙う。

今後はBHPの対応に注目が集まる。同社は過去にも大型買収を仕掛け、実現しなかったことがある。2007年に同業のリオティントに買収を提案したが、後の商品相場の急落に伴って断念したことがあった。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。