ウエルシアホールディングス(HD)は7日、2025年2月期の連結純利益が前期比28%減の190億円になる見通しだと発表した。従来の増益予想(2%増の270億円)を下回り、一転減る。市場予想の247億円にも届かない。たばこの取り扱い終了やポイントサービスの変更で販売が想定より減る。賃上げによる人件費の増加も響く。

下方修正を受け、東海東京アセットマネジメントの高崎敦志運用部門長は「市場予想も下回り株価は弱含むだろう。人手不足は依然として解消しておらず、国内の個人消費が弱い中で賃上げ分を価格に転嫁するのは簡単ではないようだ」と話した。株価は7日夕方の私設取引システム(PTS)では一時、7日の東証終値から5%下がった。

営業利益は21%減の340億円と130億円下方修正した。たばこの取り扱い店舗縮小に伴って酒などの関連購買でも減少が見られたほか、5月からイオングループのWAON POINTの付与が中心になるポイントサービスへ変更したことなども響いた。

購買頻度が高い食品を中心とした品ぞろえやチラシ販促の強化、アプリクーポンの配信など対策を実施したが、「一定の効果はあったと分析しているが、(マイナス影響を)打ち返すほどにはなっていない」(ウエルシアHDの桐沢英明社長)という。

売上高は6%増の1兆2950億円と80億円上方修正した。9月に完全子会社化したウェルパーク(東京都立川市)など当初計画に含まれていなかったM&A(合併・買収)を反映した。

同日発表した2024年3〜8月期連結決算は、純利益が前年同期比28%減の117億円、売上高が3%増の6305億円だった。今後は引き続きポイントサービスの変更内容の周知や化粧品の品ぞろえ強化のほか、デジタルトランスフォーメーション(DX)投資なども進め業績改善をはかる。

(米田百合香)

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