NHKは8日、2025年度後半から始めるインターネットによる番組配信を盛り込んだ経営計画の修正案を発表した。テレビを持たずネットだけで見る人も地上契約と同じ月額1100円とする。内容は放送と同一とし、同時・見逃し配信のほか、放送番組の文字ニュースなど関連情報も流す。

5月に成立した改正放送法でネット配信が「必須業務」に格上げされたのを受けて、24〜26年度経営計画の修正案と、番組関連情報の業務規定をまとめた。

専用アプリなどにアカウントを登録のうえ、契約を確認できれば番組を見ることができる。契約するとテレビの地上契約と同じ扱いになる。すでに地上契約をしている世帯の追加負担はない。スマートフォンを持っているだけでは費用負担は生じない。

一定期間、アカウント登録や契約がない場合には画面上の一部に登録や契約を促すメッセージが表示され、情報が見えにくくなる仕組みを導入し、受信料未払いの人の「ただ乗り」を防ぐ。見逃し配信の期間は放送後、原則1週間以内とする。

NHKの受信契約数は23年度末で4107万件と減少傾向にある。ネットのみ配信による新規契約数は25年度に1万2000件、26年度に2万4000件を見込む。NHK経営委員会の古賀信行委員長は同日、「ものすごく収支構造を変えるようなものは想定していない」と述べた。25年度では1億円、26年度で2億円の増収にとどまる見通しだ。

ラジオも再編し、現在、「第1」「第2」の2つあるAMは26年3月末に一つにする。

経営委員会では9日から11月7日まで、経営計画の修正案に対する意見をネットや郵送で募集する。

【関連記事】

  • ・NHKネット配信月1100円、コンテンツ・負担は放送と同一
  • ・NHK、教育など過去番組を任意配信 費用10億円まで

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。