コンタクトレンズの購入者に保険を付ける

住友生命保険は10月から、組み込み型と呼ばれる保険商品の取り扱いを始める。ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)と組み、同社が販売するコンタクトレンズに目の病気に治療費などを出す保険を付ける。スマートフォンで完結できるようにし、新たな顧客層や販路の開拓につなげる。

保険期間は1年間で、保険料はJ&Jが負担する。J&Jが販売する使い捨てのコンタクトレンズを年間約8箱購入する人が対象となる。住友生命は購入者が目の病気で特定の治療を受けた際や緑内障の目薬を支給された場合などに5千円の保険金を支払う。

加入から保険金支払いまで全ての手続きをスマホでできるようにする。組み込み型の保険を提供する大手の生命保険会社は国内で初めてという。

住友生命は2022年に同社の子会社が開発した熱中症向けの保険をLINEヤフー傘下のPayPay保険サービスを通じて提供した。オンラインで完結する保険販売のノウハウを生かし、保険が身近でない顧客層へのアプローチを強めたい考えだ。

特定の商品やサービスに保険を付ける組み込み型の保険は海外で先行する。国内では東京海上日動火災保険が投資用不動産の販売サイトで、マンションの購入者に火災保険を提供するサービスを展開している。住友生命の高田幸徳社長は「(組み込み型保険の)ノウハウをため、こうした取り組みを広げていきたい」と話す。

J&Jビジョンケアカンパニーの森村純・代表取締役プレジデントは「今回の保険で得られたデータなどを分析し、さらに高水準の製品やサービスにつなげていきたい」と語る。

住友生命は主力の健康増進型保険「バイタリティー」などヘルスケア領域に力を入れている。6月には企業向けに健康診断などでポイントがたまり、特典と交換できる健康増進プログラムの提供を始めた。

米コンサルティング大手のマッキンゼー・アンド・カンパニーは、30年までにアジアの組み込み型保険が2700億ドル(約40兆円)規模の市場に成長すると予測する。うち6割は伝統的な販路である代理店などからの移行とみている。

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