北海道電力は26日、2024年3月期決算を発表し、純損益が過去最高の662億100万円の黒字(前年は221億9300万円の赤字)だった。23年6月に家庭向け規制料金を値上げしたことに加え、燃料価格の変動が遅れて料金に反映されるため、燃料価格が高騰していた前年からの差益が生まれ、業績が改善した。

 売上高も過去最高となる前年から7.3%増の9537億8400万円だった。値上げによる増収分は137億円。ほかの小売り電気事業者への卸販売量も増えて増収幅が拡大。さらに、燃料価格の下落により、燃料価格変動の「期ずれ差益」が668億円発生し、利益を押し上げた。

 斎藤晋社長は同日の記者会見で「期ずれの影響を除けばそれほど大きな増益ではない。料金改定については、これからも経営効率化に取り組みながら、燃料費が下がった場合は、適正な価格でお返ししたい」と話した。

 本業の業績を示す営業損益は、過去2番目に高い1011億5500万円の黒字(前年は225億3千万円の赤字)だった。

 25年3月期は、売上高8760億円(前年比8.2%減)、営業利益500億円(同50.6%減)、純利益430億円(同35.0%減)を見込む。昨夏の猛暑などで増加した販売電力の減少を想定するほか、期ずれ差益がなくなると見込むためだ。(佐藤亜季)

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