大王製紙が運用する木材チップ専用船で北越コーポのチップを運搬した

北越コーポレーションと大王製紙は11日、木材チップ運搬船の相互利用を始めたと発表した。両社は5月に業務提携を結んで原材料購買で協力している。その一環として両社が運用する船を融通しあい、木材チップの安定調達につなげる。

ベトナムで調達した木材チップ4 万トンを大王製紙が運用する運搬船に積み込み、新潟東港まで運んだ。チップは北越コーポの新潟工場にトラックで輸送し、紙の原料になる。今回は北越コーポ側でチップを運ぶ船が不足したため、大王製紙が貸し出したという。

両社は5月に戦略的業務提携を結んだ。木材チップの相互融通や船の相互利用のほかに、地政学リスクに伴う海上輸送問題に向けた事業継続計画(BCP)などで協力する。物流や生産技術、原材料購買でコストを削減し、2027年3月期で北越コーポは約30億円、大王製紙は約20億円の営業利益改善を目指す。

7月には北越コーポが所有する鉄道コンテナを使い、共同輸送の試験も実施した。今後は環境負荷低減に向けた最適な配船なども検討する。

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