北海道の森の香りで車酔いを軽減――。日用品メーカーのエステーと自動車メーカーのスズキは11日、車酔いの原因の一つとなる車内の臭いに着目した新しい消臭芳香剤「Air Forest YOWAN(エアフォレスト ヨワン)」を発表した。走行試験中の乗り物酔いに悩む同乗者の姿を見たスズキのエンジニアがエステーに相談したことで業界の垣根を越えたタッグが実現した。
スズキが約4000人を対象に行った社内調査によると、自動車に同乗するときに「酔いやすい」と回答した人が23%に上り、そのうちの6割以上が「車内の臭いが原因」と答えた。
乗り物酔いは運転者には起こりにくく、同乗者に多く発生するため、今後は自動運転の進展により、乗り物酔いで悩む人が増えることも予想される。
一方で、車には新車の臭いや座席の革の臭いなどさまざまな臭いがあり、スズキだけでは解決できないため、香り商品を得意とするエステーに協力を仰いだ。
エステーはスズキの自動車を使ってどのような臭いを不快に感じるかを検証。その結果、北海道産トドマツの天然精油を使った香りが不快感を軽減することが分かり、トドマツの間伐材に精油を配合したキューブ状の消臭芳香剤を完成させた。
来春からスズキのディーラーやECサイトで販売予定で、その後販路を拡大。価格は1個2000円程度を想定している。
エステーR&D本部兼日本かおり研究所社長の奥平壮臨さんは「乗り物が苦手な人が快適に移動時間を過ごせるように、これからも商品開発を続けたい」と話している。【道永竜命】
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