アジア最大級の家電や情報技術(IT)の展示会「CEATEC(シーテック)2024」が15日、千葉市の幕張メッセで開幕した。AI(人工知能)やDX(デジタルトランスフォーメーション)など次世代技術に関する製品やサービスのほか、人手不足問題の解決に向けた技術などが披露された。
25周年となる今回は自動車の事業者向け展示会「ジャパンモビリティショービズウィーク2024」も初めて同時開催され、スタートアップ(新興企業)の積極的な出展が目立った。
シーテックはデジタル家電の見本市として2000年に始まった。16年に脱・家電見本市を宣言してからは、金融機関や住宅メーカーなども出展し、業種横断的なデジタル技術の提案が増えてきた。今年は808の企業や団体が出展し、およそ半数がAIに関連する展示となった。
富士通は人間の動きをAIが分析する技術を紹介するブースを設置した。このうちバスケットボールのコーナーでは、来場者がプロ選手の動きと自分の動きを比較できるのが特徴だ。
また、三菱電機は生産現場での人手不足に対応するためAIを活用したシステムの紹介や、独自のAI技術を駆使して「ルービックキューブ」をギネス世界記録となる0・3秒で解くロボットなどを展示。ソニーグループは自動車の自動運転用センサーを搭載したモデルカーを展示した。
一方、23年に旧東京モーターショーから衣替えしたジャパンモビリティショーは、一般向けと企業向けを毎年交互に開催することになり、今年は企業向けの「ビズウィーク」を初めて開催した。出展する約200社のうち、約150社がスタートアップで、派手な新車の展示などはないが、今後の自動運転技術や電動化に役立つ技術が目立った。
「ジゴワッツ」(東京)は、国内最小という手のひらサイズの、電気自動車(EV)向け充電器「Ella」を公開した。充電インフラは設置場所の確保が課題だが、同社は「壁付けも可能でスペースを取らない。普及すればEVの課題の一つを解決できる」とアピールした。
三菱ふそうトラック・バスは、自動追尾型のEVゴミ収集車を公開した。360度カメラで運転席から降りた作業者を認識し、低速で追尾する仕組みだ。ホンダは、25年発売に向けて開発中の重心移動で動くパーソナルモビリティー「UNI-ONE(ユニワン)」を公開した。
両イベントは18日まで。会期4日間の来場者はシーテックだけで10万人を見込んでいる。【道永竜命、秋丸生帆】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。