経済産業省がこのほど公表した2023年度の「電子商取引に関する市場調査報告書」によると、23年の消費者向け電子商取引(BtoC-EC)の市場規模は、24兆8435億円で、前年より9.23%増加した。14年の市場規模は12兆7970億円で、この10年間で約2倍になった。

23年の分野別の市場規模を見ると、「物販系」が前年比4.83%増の14兆6760億円、旅行やチケット販売など「サービス系」が同22.27%増の7兆5169億円。オンラインゲームや電子出版などの「デジタル系」が同2.05%増の2兆6506億円。外出需要が回復したことを背景に、サービス系分野での市場規模が2年連続で大幅増となった。消費者向け市場でのネットショッピングの占める割合(EC化率)は、前年比0.25ポイント上昇し、9.38%となった。

物販系で最もEC化が進んでいるのは、「書籍、映像・音楽ソフト」の53.45%(市場規模1兆8867億円)で、22年に初めて50%を超えた。「生活家電、AV機器、PC・周辺機器など」は42.88%(同2兆6838億円)。「生活雑貨、家具、インテリア」は31.54%、「衣類・服装雑貨」は22.88%、「食品、飲料、酒類」は4.29%だが、EC市場規模はいずれも2兆円を超えている。

サービス系で項目別に市場規模を見ると、最も大きい「旅行サービス」が前年比35.87%増の3兆1953億円。「金融サービス」は12.25%増の8483億円。飲食や理美容、チケット販売といったサービスも6000億円から8000億円台の規模がある。

デジタル系分野で最も市場規模が大きいのはオンラインゲームだが、前年比3.6%減の1兆2626億円となった 。電子出版は前年比6.87%増の6683億円、有料動画配信は8.2%増の4717億円、有料音楽配信は13.87%増の1165億円だった。

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