米南部テキサス州の天然ガス生産が盛んな「パーミアン地区」=ロイター

【ヒューストン=花房良祐】石油メジャーの米エクソンモービルが26日発表した2024年1〜3月の純利益は前年同期と比べ28%減り82億2000万ドル(約1兆3000億円)だった。天然ガス価格が低下したほか製油所の利幅も悪化した。

ガス価格の低迷が逆風だった。米国では暖冬で暖房需要が伸び悩み、ガスの需給が緩んだ。エクソンが取引したガス価格は前年同期と比べ3割減だった。石油・ガス開発部門の純利益は12%減の56億6000万ドルだった。

製油所・販売部門の純利益は利幅(精製マージン)の悪化と製油所のメンテナンス費用の上昇などで同67%減の13億7600万ドルに落ち込んだ。

22年はロシアのウクライナ侵略を受けて原油価格は一時1バレル100ドル以上に急騰し、石油メジャーの利益は大幅に増えた。ただ、米国などの増産により世界の供給不安は後退し、足元の原油相場は1バレル80ドル台だ。

このため、24年1〜3月期の純利益は四半期としての過去最高だった22年7〜9月期と比べて6割減少した。もっとも、1〜3月期としては過去10年間で2番目の高水準で収益力は衰えていない。

成長の柱として掲げる南米ガイアナの原油生産は日量約60万バレルに達した。日本の原油輸入量の2割超に相当する。エクソンは1隻あたり数千億円の洋上石油生産・貯蔵・積み出し設備(FPSO)を相次いで発注している。

同社はコスト削減も進めている。ダレン・ウッズ最高経営責任者(CEO)は26日に開いたアナリスト向け説明会で「27年まで年率10%以上のペースで純利益を増やせる」と話した。

シェブロンが同日発表した24年1〜3月期決算は、純利益が16%減の55億100万ドルだった。ガス価格の低下などが響いた。

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