17日の外国為替市場で円相場は円安ドル高に振れ、一時1ドル=150円台まで下落した。8月1日以来、約2カ月半ぶりの円安水準となる。米国で公表された経済指標が米経済の底堅さを示し、米国の利下げペースが緩やかになるとの見方が拡大。ドルを買って円を売る流れが強まった。
17日に公表された米小売り売上高が市場予想を上回り、米国の中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ観測が後退。一方、日本銀行の安達誠司審議委員は16日の講演で、「極めて緩慢なペースで政策金利を引き上げていく」と述べ、追加利上げに慎重な姿勢を強調した。日米の金利差は開いたままとの思惑が強まり、低金利の円を売って高金利が続くドルを買う動きが進んだ。
また、欧州中央銀行(ECB)は17日の理事会で2会合続けての利下げを決めた。欧米の金利差が拡大するとの思惑から、ユーロを売ってドルを買う動きが強まっている。円に対してもドルを買う動きが波及した。(久保田侑暉、ニューヨーク=真海喬生)
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