9月の消費者物価指数(2020年=100)は、値動きの大きい生鮮食品をのぞいた総合指数が108.2となり、前年同月より2.4%上がった。伸び率は前月の2.8%より小さく、5カ月ぶりに鈍化した。政府による電気・ガス代への補助金がなければ、伸び率は拡大したとみられ、幅広い商品の値上がりは収まっていない。

 総務省が18日発表した。物価の上昇はこれで37カ月連続となった。22年4月以降は、日本銀行が目標にする「2%」以上の伸び率が続いている。

 伸び率が5カ月ぶりに鈍化したのは、政府が「酷暑対策」で電気・ガス代への補助金を復活したためだ。電気代は15.2%、都市ガス代は8.3%の上昇となったが、伸び率はそれぞれ前月の26.2%、15.1%から大幅に縮んだ。総務省の試算では、この補助金がなかった場合、物価全体の伸び率は2.9%となり、前月よりも拡大していたという。

 コメは高騰が加速し、伸び率は44.7%となった。4割超の値上がりは1975年9月以来、49年ぶりだ。食塩やチョコレートも1割ほど上昇。食料全体(生鮮食品をのぞく)の伸び率は3.1%となり、2カ月連続で前月より拡大した。輸送や包装にかかるコストの増加も影響しているとみられる。

 27日に投開票される衆院選では、物価高対策も争点の一つ。電気・ガス代への支援の継続や、日銀の物価目標の見直しを訴える政党がある。(内藤尚志)

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