▼モーダルシフト 輸送を二酸化炭素(CO2)の排出量が少ない手段に転換すること。現在はトラックから鉄道や船舶に切り替える動きが主流で、環境負荷を低減させたり、積載の効率化につなげたりしている。大手メーカーを中心に採用が広がり、政府も補助金を用意して拡大を狙っている。

国土交通省によると、1トンの荷物を1キロメートル運ぶ際に排出するCO2の量が営業用のトラックを活用する場合に比べて、鉄道ではおよそ9割、船舶ではおよそ8割減らせるという。近年では、トラック運転手の時間外労働の規制強化によって人手不足が深刻になる「2024年問題」の解決にもつながると期待されている。

NX総合研究所(東京・千代田)の試算では、これから特段の対応をとらなければ30年度に輸送能力が需要と比べて34%足りなくなる。農林水産物をトラックで東京などの大消費地に運べない懸念が高まっており、地方の活性化にも影響しかねない。相次ぐ自然災害の影響も意識されるなかで、国交省は航空機の空きスペースも含めた輸送手段の多様化をめざす。

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