人の手による別注シートの加工と機械による加工を同じフロアに集約した(19日、岡山県笠岡市)

合成樹脂繊維大手の萩原工業は岡山県笠岡市に建設した新工場の本格稼働を始めた。ブルーシートなどシート製品の製造に必要な防水加工や裁断・溶着の工程を担う。機械による加工とオーダーメードで人の手を必要とする加工を同じフロアに集めて動線を改善したことが特徴で、生産量が2割増えたという。

新工場は鉄骨平屋一部2階建てで延べ床面積は約2万3000平方メートルあり、土地代を含め約75億円を投じた。裁断・溶着の工程を担っていた工場から設備を移した。

萩原工業は19日、笠岡工場の竣工式を開いた(19日、岡山県笠岡市)

ブルーシートの製造には主に糸を作る、織る、防水加工する、裁断などで仕上げるの4工程ある。新工場では後半の2工程を手掛ける。前半の2工程は賀陽工場(岡山県吉備中央町)で担う。裁断・溶着設備は先行する形で本格稼働を開始しており、防水加工は2026年末までの稼働を目指す。

現在、防水加工を手掛ける本社工場(岡山県倉敷市)の機能も新工場に集約されることにより、3拠点から賀陽工場との2拠点体制での生産が可能になり、生産性が向上する。浅野和志社長は19日に開催された竣工式で「効率向上はもちろんのこと、高品質で環境にやさしく、顧客一人ひとりのニーズにあったシートをより早く提供する」と話した。

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