キユーピーと広島大学が開発したアレルギー物質「オボムコイド」を含まない卵

キユーピーは22日、広島大学と開発した特定の食物アレルギー原因物質を含まない鶏卵について臨床試験の経過を発表した。加熱し粉末にしたものをアレルギー患者17人に食べてもらい、アレルギー反応が出ないことを確認した。被験者を広げて摂取量を段階的に増やし、2026年まで安全性を検証する。アレルギーを持つ人も食べられる卵をめざす。

国立病院機構相模原病院(相模原市)で24年3〜9月に臨床試験をした。広島大は卵を供給し、キユーピーは卵をゆでて加熱し粉末にする作業を担った。病院でこの粉末をジュースやスープに混ぜて患者に提供した。

既に患者の血液を使った試験で問題がないことを確認していたが、今回の試験でもアレルギー反応は陰性だった。

鶏卵のアレルギー物質は複数ある。このうち「オボムコイド」は他の物質と異なり、加熱してもアレルギーを起こす性質が残る。広島大が遺伝子を変化させるゲノム(全遺伝情報)編集でつくったニワトリの卵は、オボムコイドを含まない。

アレルギー患者でも食べられる卵を実現するにはオボムコイドを取り除く必要があった。キユーピーなどは新開発の卵を「アレルギー低減卵」と名づけて検証を続けている。

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