静岡県は22日、静岡空港(牧之原市)と香港国際空港を結ぶ初の定期便が12月17日から就航すると発表した。香港からの訪日需要に応えるとともに、日本からのビジネス・観光需要も取り込む。業績が回復途上にある静岡空港は収益性の高い国際線の拡大を目指しており、さらなる新規就航も探る。
格安航空会社(LCC)の香港エクスプレス航空が火・木・土曜に週3往復する。188席を備える機体を使う。日本への就航は復便待ちや予定を含めると静岡が11空港目。静岡空港が国際線定期便によってつながるのは海外4都市となる。
香港からの訪日客数は新型コロナウイルス禍前を超えて過去最高で推移する。静岡県の鈴木康友知事は22日の定例記者会見で「(県担当者らの)精力的なセールスが実った。富士山など観光資源が豊富な静岡に立ち寄ってほしい」と期待する。
静岡空港の運営会社の2024年3月期単独決算は売上高が前の期比58%増の14億円、税引き損益が2億4500万円の赤字(同3億4200万円の赤字)だった。増収で赤字幅は縮んだが19年に民間の運営に移ってから赤字が続く。
黒字化へのカギは国際線が握る。売上高を事業別に見ると免税店など直営事業収入の伸びが大きい。訪日客の多くは空港でも買い物を楽しみ客単価が高い。ただ、国際線が期間運航含め10路線あったコロナ禍前の19年度の水準には遠く、県や県内事業者を巻き込んださらなる誘致策が必要になる。
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