東京メトロは23日、東京証券取引所のプライム市場に上場し、国と東京都が保有する株式のうちあわせて50%が売り出されました。

取り引きは午前9時から始まり、投資家からの買い注文が膨らんで価格がつかない状態が続きましたが、午前10時すぎ、売り出し価格を430円上回る1株、1630円で最初の価格、初値がつきました。

初値をもとに計算した時価総額はことし最大の9400億円余りで、2018年に上場して初値をもとにした時価総額が7兆円余りになったソフトバンク以来の大型上場となりました。

株価は初値をつけたあとも1株1768円まで上昇し、時価総額は一時、1兆円を超えました。

上場によって売り出される株式のうち国の保有分の売却収入は、東日本大震災の復興財源にあてられます。

一方、東京都の保有分の売却収入については今後どのように使うかを検討するということです。

東京メトロは売り上げのおよそ9割を鉄道事業が占めていることから、投資家に対し事業の多角化などの成長戦略をいかに示すかが試されることになります。

東京都が保有 株式の売却収入1620億円余の見込み

都が保有する東京メトロの株式の売却収入は1620億円余りと見込まれています。

ただ、都によりますと具体的な使いみちについてはまだ決まっていないということです。

都は「具体的な金額が確定したところで、都の財政需要を踏まえてどのような形で使うか検討していく」として、今年度内に方針を決めたい考えです。

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