奈良県は同県初となる酒米の新品種「なら酒1504」を開発した。奈良県農業協同組合と連携し、2029年に栽培面積を14ヘクタールまで増やす計画。奈良県酒造組合に加盟する10以上の蔵元が、25年春に新たな酒米で醸造した日本酒の販売を始める予定で、「清酒発祥の地」のブランド力向上と販売拡大につなげたい考えだ。
県独自の酒米を求める県酒造組合からの要望を受けて、12年に県農業研究開発センター(桜井市)が育成を始めた。同県では現在、「山田錦」と「露葉風」が中山間地を中心に栽培されている。新品種は平たん地での栽培に適しており、他の酒米品種に比べて丈が短く倒れにくい。収量は10アールあたり500キログラムが目標。
24年度は約6.3ヘクタールの実証圃場で栽培し、すでに収穫を終えた。収穫したコメで、県酒造組合に加盟する酒造会社が1升瓶(1.8リットル)換算で計2万本相当の醸造を予定する。
県酒造組合は「吟醸系の香りの高い酒づくりを目指す蔵元が多くなりそう。各蔵元が醸し出す味の違いも楽しみにしてほしい」としている。29年には同7万本相当の醸造目標を掲げている。
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