黒崎播磨はインド事業を拡大する(北九州市の本社)

耐火物大手の黒崎播磨は29日、インド西部のグジャラート州に新工場を建設すると発表した。投資額は24億円。インドでの生産能力を15%拡大する。同社は2024年3月期に385億円だったインドでの売上高を30年に2倍以上に引き上げる計画を掲げる。江川和宏社長は「インドは成長の源。敷地内には拡張余地がある」とし、段階的に能力を増強する考えを示した。

新工場の敷地面積は23万平方メートルで、26年7月の完成を目指す。同社のインドでの生産拠点は6カ所目となる。港湾が近いため資源調達がしやすく、生産コストの削減にも寄与するという。鉄鋼やセメント製造向けに不定形耐火物の高級グレード品を生産する。中東への輸出もにらむ。

インドでは人口増加に伴い鋼材の需要が急拡大している。インド政府は23年に1億4000万トンだった粗鋼生産能力を30年に3億トンに引き上げる目標を掲げている。

同社はあわせて、90円としていた25年3月期通期の配当を105円に引き上げると発表した。同社は4月に1株を4株に分割する株式分割を実施しており、実質前期比5円の増配となる。業績予想も上方修正し、118億円としていた純利益見通しを123億円に引き上げた。

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