大手商社の「丸紅」は、ノルウェーの企業が静岡県にある陸上養殖施設で育てたアトランティックサーモンの販売を今月から本格的に始めました。
アトランティックサーモンは、刺身やすしのネタとして人気が高く、この商社では来年12月までにおよそ4700トンを国内のスーパーや鮮魚店に出荷する予定です。
サーモンの養殖が行われているのは海から離れた富士山のふもとにある施設で、人工の海水をフィルターでろ過し循環させる技術を活用しているということです。
丸紅 食品素材部の安藤悠真さんは、「国内で陸上養殖を行うことで安定供給につながる。陸上養殖への消費者の認知度はまだ低いと思うので、ジャパンブランドとしてブランド力を高めていきたい」と話しています。
サーモンの陸上養殖をめぐっては、三井物産が、千葉県内の施設で生産されたトラウトサーモンの販売を始めているほか、三菱商事と伊藤忠商事は2027年以降に国内で生産されたアトランティックサーモンの販売を始めることを目指しています。
世界的にサーモンの需要が高まる中、商社が供給に乗り出す動きが相次いでいますが、陸上養殖は大規模な設備投資が必要で、設備を動かす電気代もかさむことから、コストをいかに抑えるかが課題の1つと指摘されています。
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