▼残業規制 2019年に施行された働き方改革関連法に伴い、残業時間の上限規制が設けられた。業務の特性などを理由に規制の適用が猶予されていた運転手や医師、建設業などについても24年4月から対象となった。運転手の場合、年960時間が上限となる。

厚生労働省によると、トラック運転手の年間労働時間は2500時間超と全産業平均より2割長かった。残業規制の適用によって、東京―九州間など運転時間の長い長距離輸送を1人の運転手が担うのが難しくなった。物流各社の輸送力が低下し、荷物が運べなくなる懸念は「2024年問題」と呼ばれている。

人手不足が進むなか、トラック運転手の数を増やすことは難しい。1人あたりの労働時間が短くなっても物流網を維持する取り組みが求められている。特にトラック1台が運べる量に対し実際に積んだ量を示す「積載率」は国内平均で約4割にとどまっており、その向上が課題となる。共同輸送やトラックの大型化で一度に運ぶ荷量を増やすことは効果的な手段とされている。

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