帝国データバンクは31日、11月に282品目の食品が値上げされると発表した。値上げの品目数は2023年12月以来、11カ月ぶりに前年同月実績を上回るが、1カ月間の値上げ品目数としては24年では最も少ない。コメやカカオ豆の価格高騰を反映し、パックご飯やチョコレート菓子の値上げが目立つ。
主要食品メーカー195社を対象に調査した。分野別では加工食品が124品目で最も多い。ふりかけ製品や原料米の価格高騰でパックご飯の値上げが予定されている。東洋水産は55品目の価格を11月1日出荷分から13〜14%引き上げる。
続いて多いのは菓子で91品目が値上げされる。ロッテがチョコレート原料のカカオ豆の価格高騰のためチョコレート菓子70品目を11月1日出荷分から値上げする。他にラー油などの調味料が58品目、酒類・飲料が5品目、乳製品が4品目値上げされる。
12月にはサトウ食品もパックご飯「サトウのごはん」シリーズ64品目を値上げする。コメの高騰を受けた値上げは続きそうだが、帝国データバンクは「2024年通年の値上げは1万3000品目以下と、前年の 4 割程度の水準に落ち着く見込み」と分析する。
25年の値上げ品目は10月末時点の判明分だけで1033品目が予定されている。前年の同時期に判明した498品目を上回っており、物流費や包装資材費の上昇、賃上げによる人件費の上昇などがコストを押し上げそうだ。帝国データバンクは「値下げや価格据え置きにつながる材料は乏しく、25 年は粘着質な値上げの継続が見込まれ、品目数は 24 年を上回って推移する可能性が出ている」と分析する。
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